メンズクリニックの真実

男性の腹部脂肪吸引は、一般的な外科手術と同様に、いくつかの明確なステップを経て行われます。まず、最も重要なプロセスは「カウンセリングとデザイン」です。この段階で、医師は患者の腹部の脂肪のつき方、皮膚の弾力性、そして内臓脂肪と皮下脂肪の割合を正確に診断します。男性は女性よりも筋骨格が発達しているため、ただ脂肪を取るだけでなく、腹筋のライン（シックスパックなど）を際立たせるような「アブドミナルトンニング」を意識したデザインが求められることもあります。次に、手術直前には、吸引部位に特殊な麻酔液である「Tumescent液（チューメセント液）」を注入します。この液は、脂肪細胞を柔らかくし、麻酔と血管収縮剤の作用により、手術中の出血や痛みを最小限に抑える役割を果たします。この液が十分に浸透した後、腹部の目立たない箇所（へそ周りや下腹部など）に数ミリ程度の小さな切開を加え、そこから「カニューレ」と呼ばれる細い管を挿入します。カニューレを皮下脂肪層に挿入し、医師が手動、または機械の補助（ベイザー、アキーセルなど）を用いて、脂肪細胞を物理的に吸引・除去していきます。この際、医師は事前にデザインしたラインに沿って、脂肪を均一に、かつ必要なだけ除去する高度な技術が求められます。手術が完了したら、切開部を縫合し、圧迫着を着用して終了となります。圧迫着は、術後の腫れや内出血を抑え、皮膚を新しいボディラインに定着させるために非常に重要な役割を果たします。手術時間や吸引量は個人の状態によりますが、この一連のプロセスは、高度な技術と経験を持つ専門医によって安全かつ確実に行われます。