2025年10月
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深いクレーターの救世主サブシジョンの役割
従来のレーザーやダーマペンなどの治療では満足のいく改善が得られなかった、特に重度の「ローリング型」クレーターに悩む男性にとって、「サブシジョン」は最後の切り札となり得る治療法です。この治療法が他の治療と一線を画すのは、クレーターの根源的な原因である「癒着」に物理的にアプローチする点です。ローリング型クレーターは、ニキビの炎症が真皮層以下の皮下組織まで及び、そこで形成された硬い線維組織(瘢痕組織)が皮膚を強く内側に引っ張り込むことで生じています。サブシジョンでは、皮膚の表面から細い専用の針を挿入し、この硬い線維組織を物理的に切り離し、剥がしていきます。これにより、長年皮膚を下に引きずり込んでいた「突っ張り」が解除され、クレーターの凹みが自然に持ち上がります。また、線維を剥離した際に生じる空間では、組織の修復過程で新しいコラーゲンが生成され、これが凹みをさらに埋める効果ももたらします。治療効果をさらに高めるため、剥離した空間にヒアルロン酸やコラーゲンブースターを注入し、凹みを物理的に持ち上げながら線維の再癒着を防ぐ「コンビネーションサブシジョン」も広く行われています。サブシジョンは、施術後の内出血や腫れといったダウンタイムが他の治療よりも長く続く可能性がありますが、根深いクレーターに対する根本的な改善効果は他の追随を許しません。重度のクレーターに長年苦しんできた男性にとって、検討すべき非常に重要な治療法と言えます。