黒ニキビと認識している肌の黒い点の中には、実際にはニキビではない、別の肌トラブルである可能性も潜んでいます。正しい治し方を選択するためには、この見分け方が非常に重要となります。黒ニキビと間違えやすい代表的な肌トラブルには、「毛穴の黒ずみ(いちご鼻)」「脂腺増殖症」「色素沈着」などがあります。毛穴の黒ずみは、黒ニキビと混同されがちですが、厳密には、毛穴に詰まった皮脂と汚れが酸化して黒くなっている状態を指し、これも一種の開放面皰ですが、鼻に集中して広範囲にみられるのが特徴です。基本的なケア方法は黒ニキビと共通しますが、より徹底したクレンジングと角質ケアが必要になります。脂腺増殖症は、皮脂腺が増殖して大きくなったもので、特に中年以降の男性の顔に多く見られます。見た目は小さな黄色っぽい丘疹で、中央が凹んで黒く見えることがあり、黒ニキビと間違えられやすいですが、これはあくまで良性の腫瘍であり、スキンケアでは治りません。治療には炭酸ガスレーザーなどによる外科的な処置が必要です。色素沈着は、ニキビ跡や摩擦などによってメラニンが増加し、肌が黒く変色した状態で、毛穴の形をしていません。治療には美白剤やレーザー治療が用いられます。自分で判断が難しい場合は、自己流のケアで悪化させる前に、皮膚科を受診し、専門医による正確な診断を受けることが最善の策です。間違ったケアを続ければ、時間も費用も無駄になるだけでなく、肌に不要なダメージを与えてしまうリスクがあるため、正確な見極めが美肌への最短ルートとなります。